2002年9月8日
NHKの大河ドラマ「さくら」をやっていたからと理由ではありませんが、きっぷが余っていたことと、友人が少し前に高山に行ってみたいと言っていたので、「それじゃぁ高山へ!」と出発しました。この時期は臨時夜行の大垣行きも運転されておらず、青春18きっぷで乗れる東京から西へ行く夜行は全席指定席の「快速ムーンライトながら」しかないのですが、あいにく指定券を持っていなかったため、一部指定席に変わる小田原駅から乗り込むことにしました。しかし、実はあまり時間を気にしてなかったせいか、確実に電車に間に合わない時間に・・・運良くこの日は電車が遅れていたので乗れましたが、もし乗れなかったらと思うと冷や汗ものでした。一部指定席になるとはいえ、車内は混雑しておりとても座れるような状況じゃなかったので、床に座り込んでいました。とりあえずそのまま乗って、朝、定刻通りに岐阜駅に到着しました。
岐阜から高山線に乗り換え高山を目指すことに。このあたりは難読地名が増えていきます。例えば、「坂祝」は「さかほぎ」ですし、「各務ヶ原」は駅名は「かがみがはら」で地名は「各務原」と書いて「かかみがはら」と濁りません。なんとまぁ複雑なんだ。また、おもしろいのは「下呂(げろ)」駅があれば「上呂(じょうろ)」駅もありまして、さらに間に「中呂水力発電所」なんてのもあります。高山線はしばらく行くと飛騨川沿いを走ります。惜しくも写真を取り損ねてしまったのですが、車窓から見える飛水峡はこれまで見てきた渓谷の中でも絶景です。一見の価値あり!また、少し離れたところには白川郷などもあります。岐阜から電車に乗ること約3時間、やっとのことで高山に到着です。いやぁ、それにしても遠いい。
ちょうど、大河ドラマ「さくら」の影響もあり、街全体が「さくら」の街、高山になっていました。平成16年に古川町・神岡町・河合町・宮川町が合併し飛騨市とかいう市ができましたが、これは高山市とは関係ありません。昔も今も飛騨といえば高山です。飛騨の代名詞と言える古い町並みや東山寺町などは高山にあります。ちなみに、東大の小柴教授がノーベル賞を受賞された際に一躍有名になったスーパーカミオカンデは飛騨市にあります。飛騨高山に観光される際にはこの辺の事情をよく知っておいてくださいね。で、話を戻しますと、高山駅を降りると、駅前には観光案内所があります。私は事前にネットである程度飛騨高山について調べてはいたのですが、やはり付け焼き刃では全く役に立ちませんでした。観光案内所で無料の高山マップをいただき、それを見ながら高山の街を散策することにしました。
 まず、高山といえば宮川東側の古い町並みです。ここは京都の三年坂付近に似ていました。でも、それ以上に趣があり、江戸時代さながらの家並みを見ることができました。ここは高山に訪れたら必ず訪れるべき場所です。次に、高山陣屋の陣屋前朝市で有名な中橋を訪れました。中橋とはまた平凡な名前ですが、朱に染まった橋と下に流れる川が非常にマッチしていました。名所は名前で判断してはいけないのですね。私が訪れたときにはすでに朝市はやっていなかったのですが、陣屋前には人だかりができていました。「さくら」効果もあってか、観光客も非常に多かったです。とりあえず目的も無しにひたすら高山の街をほっつき歩いてみました。それだけでも満足のいく街です。
いろいろ歩いていると、ふと変な場所に出てしまいました。変な場所というか、穴場というか。観光客はほとんどいない普通の民家が並ぶあたりなのですが、これまた美しい川の流れです。写真で見るとたいしたこと無いんですが、周りの家とか森とか川とかまるでタイムスリップしたかのような場所です。写真に映ってる人は私ではなく友人です(K君ごめん)。高山は特にガイドマップに書いてあるような場所ではなくてもどこに行っても質素で日本的な美があります。東京に住んでいると、無機質な高層ビルや、はたまたきらびやかなレジャー施設ばかり建ち並び、何とも落ち着きませんが、ここは違います。決して私のふるさとではないのですが、まるで故郷に帰ってきたような優しさと安心感が得られます。これがきっと日本文化なんでしょう。こういった文化を是非とも大切に残していきたいものです。
さて、さらに市内を歩き、松倉城趾や松倉遊歩道へも行ってきました。もう、これ以上は言葉にできません。是非とも実際に行ってみてください。しかし、坂が多いので少々疲れてきましたので一休みすることにしました。一服したあと、次に日枝神社に行きました。ここは裏山がすごく、まるでもののけ姫やトトロに出てきそうな場所でした。神社の境内には出店が出ていたりベンチがあったりしたのでまたここの日陰で休憩することにしました。どうやら私は晴れ男のようで、旅行に行くたびに快晴に恵まれます。この日も快晴で非常に暑かったのでアイスを食べたりしました。一通り高山を見学したあと、汗もかきましたので次なる目的地の下呂温泉に向かうことにしました。
その前に、今日は帰ろうかそれともどこかに宿泊しようか改めて考えることにしました。最初の予定では日帰りで行こうと思っていたのですが、予想以上に遠かったことと、二人とも高山が気に入ってしまったため一泊してもう一日高山見物しようか考えました。しかし、よく考えると私たちは余った青春18きっぷで来ているため、もう一泊してしまうときっぷに余裕が無くなってしまうことに気付きました。あぶないあぶない。ということで、高山駅で帰りの「快速ムーンライトながら」の岐阜〜東京間の指定券を取ることにしました、が、駅員に「いやぁ〜満席だよ〜」と言われてしまったのです。こりゃ、参ったなぁと思いながらダメもとで、「じゃぁ、岐阜〜熱海間の指定席でもう一回調べてもらえませんか?」と尋ねました。これは知っている人は知っている荒技で、上りの「快速ムーンライトながら」は大垣〜熱海が全席指定席、熱海〜東京間が一部自由席になります。なので、指定席も大垣〜東京と大垣〜熱海は別枠になっているのです。なので、大垣〜東京が満席でも大垣〜熱海の指定席は空いているなんてことはよくあることなんです。仮に熱海を過ぎてもその座席に座っている以上席を取られる心配はないので何も問題はありません。すると、「お、熱海までは空いてるねぇ。じゃ、これでいいかい?」って言ってくれたのですかさず「お願いします!」と言い指定席をゲットしました。こうして、帰りの列車の予約もできたので、改めて下呂に向かいました。
 高山から電車に乗ること約50分、下呂駅に到着です。下呂温泉は群馬の草津温泉、兵庫の有馬温泉に並ぶ日本三名泉の一つで、泉質はアルカリ性単純泉です。下呂駅をおり、橋を渡るとそこはもう温泉街です。浴衣のまま歩きたくなるような町並みで、「あぁ、温泉街って言うのはこういうところを言うんだよなぁ。」などと思ってしまいました。橋のふもとの川沿いには24時間無料で入れる露天風呂があり、多くの人が入っていましたが、これがまたすごいことに周りから丸見えでして、ちょっと入るのに勇気がいるような場所なのです。貧乏旅行にはもってこいの温泉ですね。また、橋の上にその泉源からお湯を引いてあり、コップもおいてありました。これは飲むものなのか、ただ単に手や足にかけるものなのか・・・ただ一つ言えることはかなり暑かったです。
温泉にもつかり、日も暮れてきましたので下呂をあとにすることにしました。そろそろ小腹も空いたので夕飯でも食べようと岐阜駅に向かいました。しかし、岐阜駅周辺には飲み屋しかみつからず、名古屋まで出ることにしました。名古屋で栄に行き夕飯を食べたあと、夜行まで時間があったのでぶらぶらすることに。名古屋といえば、2000年に完成したツインタワーが有名ですね。もちろん、金のしゃちほこの名古屋城やテレビ塔も有名ですが。高山や下呂に行ってきたあとにこのツインタワーを見ると、無機質な都会と有機的な田舎のギャップの大きさを改めて実感しました。よく、都会を砂漠と例えられますが、まさにそんな気がします。名古屋で帰りの「快速ムーンライトながら」に乗り込み、そのまま東京へ。今回の旅もこれにて終了です。
飛騨高山は今まで私が行った中でもおすすめポイントは高い場所です。町並みを見たりする以外のレジャー施設などは特にありませんが、日常の雑踏からすこし離れて羽を休めたいときには是非ともおすすめな場所です。ただ、東京からにしても大阪からにしてもちょっと行きにくいのが難点です。しかし、何事もそうですが、難しいことを達成したときの喜びは大きいですよね。行きにくいからこそ、痛んだ羽も十分に癒せるのではないでしょうか。
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